パワーPC 750(G3)でのポテンシャルと,パワー4の力量を兼ね備えた,おいしい具材。
IBM社がパワーPC 970のプレゼンテーション用PDFファイルを掲載した。パワーPC 970についてオフィシャルで出ているほとんどの情報が含まれる。このプロセッサは2003年暮れに出荷予定。
なんと云うかよだれが出てたまらないというプロセッサだが,実際に旨味は多い。パワー4プロセッサの強みの部分を多少は殺している部分もあるが(PDF13ページ目),それ以上に互換性の高さを感じ取った方がよいだろう。32ビットのアドレス空間すべてに互換性があることで,コンシューマーユーザーが感じる不満はかけらもなくなる(OS Xへの大きな移行を遂げたあとなので,それは必要不可欠だ)。インテルがその点でユーザーの不満よりも性能を重視した展開を図っているのも,利点はあるが反発は強い(特にx86の場合は…)。AMDは互換性を高める64ビットモードを掲げているが(x86-64),それでは性能面で若干二度足を踏むことになる。
もともと32ビットとの互換性で,性能鈍化が少ない設計にできるパワーPCの強みがそこにある。32ビットのアドレス空間すべてに互換性があり,それによって現行のパワーPCアプリケーションをすべてサポートできること,また,低消費電力,サイズの小ささ(PDF5ページ目)もあるので,ノートも含めてアップルのマックはすべて一気にパワーPC 970に置き変わる可能性もある。2004年1月のサンフランシスコのマックワールドエキスポの前後はかなり慌ただしいことになるだろう。旨味は,味わわれるためにある。マックハードウェアにこの大きな旨味は欠かせない。
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